
金融業界は全て数字がものを言う世界なので、銀行員には厳しいノルマが課せられています。
貸し倒れがさなそうな企業には執拗に融資を勧めますからね。
それに融資ノルマだけでなく、定期預金獲得、新規口座開設、投資信託、保険商品、クレジットカードなどの様々な金融商品販売しなければならなく、銀行員に課せられるノルマは非常に過酷です。
実際、ノルマが辛くて銀行を辞めていく行員が男女問わず非常に多いことからも、銀行のノルマがいかにきつくて辛いかが良くお分かりいただけるかと思います。
絶対に達成できないノルマを課せられる
ノルマというのは基本的に「これだけは絶対に達成しなければならない」ものというのが一般に認知されていますが、銀行員に課せられる様々な融資、金融商品販売ノルマは、ほとんどが絶対無理であろう数字です。
目標なら分かりますが、銀行業務での数字目標は「目標=ノルマ」と捉えられているので、絶対に達成できない数字を突き付けられているのです。(※目標はあくまで目標なので、これをノルマと捉えるのはおかしいです)
定期預金で月に1千万単位での獲得(ちなみに日本の預貯金は50兆円以上と言われています)、企業融資ノルマになると月に数億円で年間100億単位でノルマを課せられる都市銀行も普通にありますし、夏や冬のボーナス時期は最悪ですね、ノルマは未達はボーナスにも響きますし、窓口業務の女性銀行員も顔色に全く余裕がありませんね。
それに、投資信託などのリスク性のある金融商品を無知な消費者に購入していただかなければなりませんし、長時間話して「じゃあ、またお金に余裕ができたら考えようかな」と言われようもんなら、顔面神経痛かと思うくらい顔がピクピクしている行員もいるくらいです。
過剰な営業行為はお客様との信頼関係を壊す要因にもなってしまうので、お客様の為にならない事はなるべく避けるべきですが、そうは言ってもいられない事情があるのです。
銀行員自らによる「自爆」で自己ノルマ達成しようとする行為が横行
「自爆」とは、行員自ら自分や家族、知人・友人に頼んでノルマを達成しようとする行為。
あなた自身も何かしら自分から近い人にお願いしたことがあるんじゃないでしょうか?
毎月の定期積立や保険、自動車ローン、住宅ローンなどノルマを達成するために自爆行為をしている銀行員も非常に多いのです。
マイナス金利で銀行員の融資ノルマは更に跳ね上がる
2016年1月29日に日本銀行からマイナス金利が公表されました。
マイナス金利の導入は、銀行が企業に対して貸し渋りを緩和し、経済を発展させる目的があるのですが、貸し渋りを少なくするという事は、民間企業への融資が増えることになりますが、これは言い換えれば銀行員の自己ノルマが増えることでもあります。
マイナス金利が導入されたことで、銀行同士の生き残りをかけた熾烈な争いが起こると言われているくらいなので、今後は無理なノルマに耐えられなくなって脱落する銀行員が更に続出することでしょう。
過酷なノルマと、どう向き合うべきか?
では、現職の行員が無茶苦茶なノルマとどう向き合うべきなのでしょうか?
私自身「ノルマ=悪」だとは思っていません。
毎月ノルマがあるから、自分を奮い立たせて仕事にメリハリをつけることができるし、数字ができた時は、かなり達成感や充実感がありますからね。
ですが、銀行のように度を超えた自己ノルマがあれば、潰れてしまう人間がいるのは当たり前です。
銀行のように過剰なノルマを課せられる企業では、生き残れるのは
1 ずば抜けて仕事ができる人間
2 精神的にかなりタフな人間
だけです。
自分に与えられたノルマと向き合える自信があるなら、今の銀行の仕事を続けれてみれば良いと思いますが、プレッシャーに押しつぶされそうだというなら、他の仕事に転職することも考えなければなりません。
銀行での経験というのは厳しいノルマを含め、自己成長には非常に有益な場ですが、これから先何十年も・・となると話は違ってきます。
良い市場で売れるのは当然ですが、市場が悪い時こそ金融マンとしての真意が問われるんじゃないでしょうか。